前科2犯を背負い投げ

前科者になってしまった私の人生を綴っています。

過去の傷

  以前、iPhoneを二台使用していた。二台とも、全てのデーターが消えていてiCloudからデータを復旧を試みたものの、プライベートで使用していたiPhoneだけは復旧できない。

 

 パソコンさえ起動できれば復旧できる可能性はありそうだけど、まず修理に出すしか方法がなくもどかしい。

 

仕事用のアドレスを眺めていると、過去に取引していた会社のアドレスの中にポツンと名前がないメールアドレスが登録されていた。

 

 メールアドレスの羅列を見てみると、アドレスの中に10年以上前に、付き合っていた彼女の名前が入っていた。

 

  彼女との関係はいわゆる浮気相手で、私に本命の彼女がいたときに付き合っていた女性だった。

 

  結局、浮気がバレて本命の彼女とは別れた後に一緒になったが長くは続かなかった。

 

 別れの原因は、彼女の日に日に強くなっていく強い愛や束縛に耐えることが出来ずに疲れ果ててしまったのが原因だった。

 

 話すのも嫌で、着信拒否をして自然消滅に無理やりもっていく方法をとった。彼女を深く傷つけてしまったハズだ。

 

 ほとんど捨てるようにしてしまった彼女にメールを送信した。

 

「元気?繋がったらメールください。」

 

  自分勝手で最低な人間だということはわかっていたけど、逆に責めたてられても構わないし、正直に謝ろうという気持ちがあったし、元気な彼女の声を聞き元気を貰いたかった。

 

 そもそも10年もの間、メールアドレスが生きていることもないだろうと送信すればアッサリと送信できた。

 

   私と別れて10年、彼女はどのように生きてきたのか?幸せなのか?今まで付き合った相手のこと知りたいと思うのは私だけじゃないと思う。

 

 思いのほか、すぐに返信があった。

 

 私から連絡があったことにビックリした文面で、電話で話したいと彼女から言ってきた。

 

 電話をして彼女の元気な声を聞いたとき、一瞬にして過去に戻された気分だった。

 

 嬉しかった反面、寂しくて誰かに縋りたいという気持ちだけで彼女に接することの後ろめたい思いが強かった。